傾聴対話ロボット

傾聴ロボット:「話を聴く」対話システム

傾聴対話ロボット傾聴とは,相手の話を引き出しながら,共感的に聴く対話の方法です.高齢者施設などでは,認知症予防や心のケアの観点から重要とされていますが,話し相手となる人材は十分ではありません.そこで本研究では,人の代わりに話を聴くことができるロボットの実現を目指しています .

この研究では,「話す」ことよりもむしろ「適切に聴く」ことに重点を置いています.具体的には,次のような機能を統合した対話システムを構築しています.

  • ユーザの発話が続くか終了したかを判定し,適切なタイミングで応答する
  • 発話内容に関連した質問を生成し,会話を自然に広げる
  • 応答内容に応じてリアクションを変え,共感を伝える

例えば,音声の高さや強さなどの特徴を時系列で解析することで,ユーザがまだ話し続けたいのかどうかを推定します.また,発話内容からキーワードを抽出し,それに関連する質問を生成することで,一問一答ではない対話を実現しています .

さらに最近では,大規模言語モデルを活用し,より柔軟で自然な質問やリアクションを生成する方法の検討も進めています.これにより,従来の手法では難しかった,多様で文脈に応じた対話が可能になりつつあります.

このような研究を通じて,音声信号処理や機械学習に加えて,大規模言語モデルを活用した対話生成や,APIを利用したシステム開発など,現在のAI技術に関する実践的なスキルを身につけることができます.また,自分が開発したシステムを実際に人と対話させて評価するため,「人にとって自然な対話とは何か」を体験的に理解できる点も特徴です.

藤江研究室では,対話システムをソフトウェアだけでなくロボットとして実装しながら研究を進めています.AI技術に興味がある方はもちろん,人と機械の関わりに関心のある方にとっても,取り組みがいのあるテーマです.

関連する研究業績

  • 伊島翔大,関根みくり,藤江真也, “傾聴対話のための音声対話ロボットの開発と評価,” 日本音響学会春季研究発表会, pp. 915-918, 2020.
  • 伊島翔大,藤江真也,”傾聴対話システムのための高齢者発話の継続/終了識別,” 日本音響学会春季研究発表会講演論文集,pp. 969-970,March 2019.
  • 伊島翔大,藤江真也,”傾聴対話システムのための高齢者音声を用いた発話終了判定,” 第17回情報科学技術フォーラム,FIT 2018,E-030,Sept. 2018.
  • 青木裕哉,伊島翔大,中野大樹, 藤江真也, “質問への応答に依存しない傾聴対話システムのリアクション生成,”  第80回全国大会講演論文集, pp. 397-398, Mar. 2018.

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