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受賞に関するお知らせ

[受賞] 第7回対話システムライブコンペティション 優秀賞

人工知能学会 言語・音声理解と対話処理研究会(SIG-SLUD)で開催された対話システムライブコンペティションで未来ロボティクス学科 藤江研究室のチームが優秀賞を受賞しました.

対話システムライブコンペティションとは

対話システムライブコンペティションとは,オーディエンスの前で実際に対話システムを動作させ,評価を行うイベントです.対話システムに関するコンペティションはいくつか開催されていますが,このコンペティションは実システムとユーザとの会話をその場で評価されることで競い合う,ライブ感を大切としていることに特徴があります.

本コンペティションは2018年から開催されており今回で第7回となります.第1回が開催された2018年から現在に至るまで,大規模言語モデルを代表とする生成AIの登場など,対話システムを取り巻く状況が大きく変化しています.それに伴いコンペティションの内容も年々変化しており,2022年に行われた第5回から主に音声入出力を用いるマルチモーダル対話システムを用いた競技が行われています.

第7回 対話システムライブコンペティション

今回実施されたコンペティションでは,シチュエーショントラックとタスクトラックの2つのトラックが設定されました.

シチュエーショントラックでは,友人関係に悩むユーザの愚痴を聞き,その後の対応に対する決断の後押しをするシステムの構築が求められました.このトラックでは,音声入出力などの部分の基本的なシステム構成は変えず,システムの発話内容等を決めるための大規模言語モデルに与えるプロンプト(指示内容)を設計し,適切な対話ができるかを競います.

タスクトラックでは,旅行目的を持った客に対して,その目的に沿った観光地を提案する旅行代理店の店員として対話を行うシステムの構築を求められました.このトラックは,音声認識,表情認識,対話処理などを自由に構築して競い合うものです.観光地の情報は,事前に与えられた,実際の旅行代理店のウェブサイトで提供される情報を検索するサービスを用いて,対話をしながら検索して取得します.

コンペティションは予選と決勝から構成されていて,予選では提出されたシステムをコンペティション運営において集められた実験協力者が実際に対話をして評価した結果に基づき順位づけされます.各トラック予選上位3チームが決勝に進出します.決勝は,研究会の会場にて対話を実施し,その様子を見た聴衆が評価した結果で順位づけされます.

チームCITAR(千葉工業大学 未来ロボティクス学科 藤江研究室)の結果

藤江研究室の学生で構成されるチームCITAR(Chiba Institute of Technology, Advanced Roboticsの略)は,今回シチュエーショントラック,タスクトラックの両方にエントリーしました.シチュエーショントラックで予選3位となり通過,タスクトラックは予選4位となり惜しくも予選敗退となりました.3月21日に行われたシチュエーショントラック決勝においても第3位となり優秀賞を受賞しました.

同時に開催された研究会において,提出したシステムに関する研究発表を行いました.

  • 花川主税, 山元広太, 小堀聡太, 藤江真也,”話し手の感情に応じた愚痴の傾聴と決断の後押しを行う音声対話システム,” 人工知能学会 研究会資料, SIG-SLUD-103, pp. 13-18, 2025. (口頭発表,ポスター発表)
  • 小堀聡太, 花川主税, 伊藤雪, 藤江真也, “複数評価指標による状態管理と発話完了度予測による発話権管理を用いた観光案内対話システム,” 人工知能学会 研究会資料, SIG-SLUD-103, pp. 46-49, 2025.(ポスター発表)

関連リンク

[受賞] 人工知能学会研究会優秀賞

藤江准教授がかかわった以下の発表が,人工知能学会2015年度研究会優秀賞を受賞しました.

林 良彦,藤江 真也,福岡 維新,高津 弘明,小林 哲則,”情報アクセスにおける受動性と能動性: 音声対話によるニュース記事アクセス,” 人工知能学会研究会資料,AM-11-05,pp. 25-32, Nov. 2015.